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[平和]に関する記事

大阪憲法ミュージカル『無音のレクイエム』公演

2017-09-03

大阪憲法ミュージカルの公演 2017年は『無音のレクイエム』です

◇作品紹介
昭和初期、ところは大阪千日前。活動弁士を夢見る明、作家を目指す貞夫、彼らを応援する美智子。
戦争に翻弄されながら生きる、日米開戦、出征、大阪大空襲・・夢を語ることすら止められた。
無声映画から、歌が、音楽が、笑い声が聞こえてくる。
「悲しかったら泣いたらええ!面白かったら笑ろたらええ!」
あの時戦争前夜に立ち会う。何が起こったのか、何を思ったのか。

◇公演日
10月6日(金)昼の部 開演 15:00    夜の部 開演 19:00

10月7日(土)昼の部 開演 13:00   夜の部 開演 17:00

10月8日(日)昼の部 開演 11:00  夜の部 開演 15:00

10月9日(祝)昼の部 開演 11:00  夜の部 開演 15:00

◇公演場所
大阪城ビジネスパーク円形ホール(大阪市中央区城見2−1−61)
地下鉄長堀鶴見緑地線「大阪ビジネスパーク駅」4番出口下車徒歩約1分
JR環状線「京橋駅」徒歩約8分

◇チケット販売
一般3500円、大学生高校生3000円、中学生以下・障がい者2000円
全席自由席
【メールでの申し込み方法】
osaka.musical2017@gmail.com
メールのタイトルに「チケット購入」と記載の上
メール本文にて下記内容をお知らせください。
①氏名
②公演日程
③区分(一般、大学生、高校生、中学生以下、障がい者)
④チケット送付先
⑤連絡先電話番号

◇主催
大阪憲法ミュージカル

9条改憲論の危険なねらい

2017-08-02

日本国憲法9条改憲論の危険なねらい

弁護士正木みどり

安倍首相は、なんと憲法記念日(5月3日)に、9条改憲を打ち出しました。「9条1項(戦争はしない)、2項(戦力は持たない)」はそのままに、自衛隊を認める3項を加えるというのです。「頑張っている自衛隊を憲法に明記してあげよう。何も変わらないから安心して改憲に賛成して。」という作戦です。
しかしこれは、ひどいごまかしです。9条2項は「戦力を持たない」としているので、時の総理が自衛隊に何かさせようとするたびに、いちいち「戦力」にあたらないことを国民に説明しなければなりません。ところが、3項で自衛隊の存在を2項の例外として明記すれば、2項は自衛隊の「戦力化」を抑止する力を失ってしまいます。
しかも、3項で認められる自衛隊は、国民がイメージしている「災害救助・専守防衛の自衛隊」とは違うものになってしまっています。一昨年9月、憲法違反の戦争法(安保法制)の強行成立により、海外で集団的自衛権を行使できる自衛隊に変えられているのです。集団的自衛権とは、「自衛」とは名ばかりで、自国が攻撃されてもいないのに、他の国のために一緒になって海外で武力行使する(つまりは戦争する)ものです。だから、自民党政府ですら、長年にわたって「集団的自衛権は憲法違反だから認められない」と言ってきたのです。この戦争法の強行成立後も、市民と立憲四野党の共同で、憲法違反の戦争法の廃止を求める運動がくりひろげられています。
ところが、9条に3項を加えて改憲されると、9条1項、2項は亡きものにされてしまい、歯止めなく海外での武力行使(戦争)が可能になってしまいます。これが安倍首相のねらいです。

例えば、お隣の韓国の憲法も自衛戦争以外の戦争を禁止しています。ところが実際には、韓国は集団的自衛権の名目で、アメリカのベトナム戦争に参戦して多くのベトナム人を殺害し、5000名以上の戦死者を出したと言われています。この韓国の実例をみても、日本国憲法9条2項(戦力を持たない)を死文化させてしまう改憲論の危険性が明らかです。
戦争できない(戦争しない)国から、「戦争できる国」となることは、人権も制限され、監視社会・ものも言いにくい息苦しい社会に、私たちの権利や暮らしそのものを大きく変えてしまいます。自民党の改憲草案は、国防軍(軍隊)の設立を目指しています。本当はそうしたいのです。でも、それでは国民がついてきません。だから、「9条に3項を加えて自衛隊を認める」という変化球で、9条1項・2項を亡きものにして、自衛隊を他国で制約なく戦争できる軍隊に変えてしまおうという作戦です。
自衛隊をどう考えるかはいろいろな意見があるかも知れません。でも、戦争への道を拒否したいなら、そして自衛隊を他国に対する攻撃部隊としない、自衛隊員が海外で外国人を殺すことも殺されることも防ごう、憎しみの連鎖で敵国をつくってはいけないと考えるなら、憲法9条改憲論はおかしい、9条をまもれの声を大きくしていこうではありませんか。

なぜ、自衛隊員の母は 裁判を起こしたのか

2017-05-14

ともに学ぶ法律家と市民のつどい「なぜ、自衛隊員の母は 裁判を起こしたのか」が開催されます
とき:6月14日(水)18:40
ところ:大阪弁護士会館 10階 1001・1002号室(地下鉄・京阪「淀屋橋」から徒歩5分)
講演:平和子さん(陸上自衛官の母で自衛隊派遣の「差止」を求めて札幌地裁に提訴した原告)
佐藤博文弁護士(自衛隊派遣差止訴訟弁護団事務局長)
参加費:500円
主催:青年法律家協会 大阪支部

いいね!日本国憲法 平和といのちと人権を!5.3憲法集会

2017-04-03

「施行70年 いいね!日本国憲法-平和といのちと人権を!5.3憲法集会」が開催されます
とき:2017年5月3日(祝)11時30分~
ところ:有明防災公園(東京臨海広域防災公園)
主催:5.3憲法集会実行委員会
内容:11時30分ブース・イベント広場:親子憲法ひろば/出店ブース/ミニSL
12時プレコンサート:ユキヒロ/佐々木祐滋「HEIWAの鐘」をユキヒロと一緒に歌おう
13時集会:司会:橋本美香(制服向上委員会)
スピーチ:池内了(名古屋大学名誉教授、世界平和アピール7人委員会)
伊藤真(弁護士、伊藤塾塾長)
植野妙実子(中央大学教授・法学)
落合恵子(作家)
ピーコ(ファッション評論家、シャンソン歌手)
山口二郎(法政大学教授・政治学、市民連合)
山田火砂子(映画監督)
14時30分クロージングコンサート:制服向上委員会/中川五郎/PANTAとき

憲法こわすな!5・3おおさか総がかり集会

2017-04-03

「憲法こわすな!5・3おおさか総がかり集会」が開催されます
◇日時:2017年5月3日(憲法記念日)
13:30文化行事
14:00集会開会 3コースに分かれてパレード
◇場所:扇町公園
◇主催:おおさか総がかり集会実行委員会

「激動する世界のなかで9条を考える」憲法施行70年講演会

2017-02-19

「激動する世界のなかで9条を考える」憲法施行70年講演会が開催されます
とき:3月19日(日)13:30
ところ:天満橋・エルおおさかホール(「天満橋駅」より西へ300m)
講演「持続可能な社会をめざして」大阪市立大学名誉教授宮本憲一
文化行事落語家桂文福、報告ジャーナリスト西谷文和
参加費:1000円
主催:「九条の会・おおさか」

 

日本国憲法誕生のころ

2017-01-06

日本国憲法誕生のころ                             弁護士正木みどり

日本が引き起こした侵略戦争の犠牲者は、アジアで2000万人と言われている。日本国民も300万人以上の命が失われた。明治憲法は、天皇が絶対的権限をもつ天皇主権で、国民は臣民でしかなく権利もまともに保障されなかった。特に昭和に入ると、うかつなことを言えば逮捕され、死刑もあり、非国民扱いもされた。与えられる情報も国によってコントロールされた。
1945年8月15日、日本は、ポツダム宣言(「民主主義と基本的人権を確立し平和な政府をつくること」を日本に求めた)を受諾して、敗戦をむかえた。多くの国民は、ようやく暗い時代が終わる、「ホッとした解放感」をもった。衣食住の確保におわれる大変な生活が続いたし、戦争で大切な人を失ったつらさ等を抱えつつ。
近代憲法は、民主主義(国民主権)と人権保障を2大柱とする。明治憲法は、近代憲法とは言えないものだった。国民の間では、自由と民主主義を求め、新しい憲法を求める声がわきあがった。民間人の作った憲法草案も20を越えたという。

ところが、ポツダム宣言受諾にもかかわらず、日本政府は、GHQ(連合国総司令部)に憲法改正の必要を示唆されて「憲法改正要綱」を作ったものの、明治憲法の表現をほんの一部変えただけで、本質は全く変えなかった。そのため、GHQの民政局が憲法草案をつくり(その際、上記の民間人の作った憲法草案も参考にされたという)、日本政府に渡した。この経過をもって「おしつけ憲法」論を唱える人がいる。しかし、この経過は、約束したポツダム宣言も国内世論も無視した時代錯誤の日本政府の姿勢が招いたものである。しかも、後述の国会審議を経てできた日本国憲法は、国内外の憲法の最高の到達点(例えば「個人の尊重、幸福追求権」など)と、世界の最先端の内容(徹底した平和主義など)をもりこんだものであり、日本国民に支持されたものである。
1946年3月、日本政府案が公表された。4月10日には、戦後最初の総選挙、そして、日本国憲法を先取りして日本で初めて女性が参政権を獲得した男女平等の普通選挙が行われた。投票率72%、39人の女性議員が誕生した。
この新しい国会で、約4ヶ月間、日本国憲法草案が熱心に審議された。国会審議で新たにつけ加えられた重要な条文や文言もある。たとえば、政府案では「主権」という言葉がなかった。議会内外で大きな争点となり、衆議院の修正で、憲法の前文と1条に「主権が国民に存することを宣言し」などの条文が書き込まれた。たとえば、憲法9条は、その趣旨を明確にするため1項に「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し」という文章が加えられた。たとえば、25条の「生存権」規定は政府案にはなく、新たに明記された。このような熱心な審議を経て成立。

1946年11月3日、日本国憲法として公布され、翌年(1947年)5月3日施行されることになった。いろいろな法律が、日本国憲法に合わせて、改正されたり新たに作られた。新し憲法、日本国憲法は国民に歓迎され支持されたのである。
なお、憲法公布の日から約1ヶ月後、国会議員や学者、ジャーナリスト等で「憲法普及会」が組織され、憲法施行の日、小冊子「新しい憲法 明るい生活」2000万部が全国の各世帯に配布された。新憲法について「私たち日本国民は、もう二度と再び戦争をしないことを誓った。これは新憲法の最も大きな特色であって、これほどはっきり平和主義をあきらかにした憲法は世界にもその例がない。本当に平和な世界を作りたい。このために私たちは陸海空軍などの軍備をふりすてて、平和を守ることを世界に向かって約束したのである。…」と説明している。また、同じ1947年8月、文部省発行の中学1年生の教科書「あたらしい憲法のはなし」でも、平和主義、基本的人権、国民主権について説明している(この教科書は数年で文部省は廃止した)。

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「あたらしい憲法のはなし」の中の挿絵。1947年8月2日発行(文部省)

「戦争法」とのたたかい  関西合同法律事務所

2016-12-16

「戦争法」とのたたかい  関西合同法律事務所

 事務局 濱野尚子

09490

 

2016年11月3日、日本国憲法は70歳の誕生日を迎えました。今、その日本国憲法が改悪されようとしています。

2015年から始まった「戦争法案」とのたたかい。何としてでも止めなければ!という思いで、事務所全体で勉強会をし、宣伝活動にもより力を入れてたたかい抜くことを決意しました。同じ大阪市北区西天満にある、北大阪総合法律事務所にも声をかけ、「昼宣伝」を一緒に行うことになりました。さらに「月に一度では足りない!」との声があがり、「朝宣伝」も行うことになりました。それに伴い、合同で会議を行い、今後の戦略を練ることにも力を入れてきました。

現在、昼宣伝をお昼の12時~1時まで西天満交差点にて、朝宣伝を朝8時30分~9時まで南森町交差点にて、行っています。

可愛いプラスターを作ったり、真っ赤なハッピやノボリを購入したり、「chat de vote」を行ったりと、それぞれが考え、協力して、活動そのものを楽しみながら、また、関心を向けてもらえる宣伝を工夫しています。

頑張って「戦争法案」廃止を訴え続けましたが、結果として「戦争法」は成立し、野党共闘でたたかった参議院選挙でも、改憲勢力に対して3分の2以上の議席の獲得を許してしまいました。この結果には本当に残念でたまりません。

しかし、それぞれが頑張ってきたからこそ、運動が大きなものになり、野党共闘につながったのだと思います。初めてデモに参加してみたり、選挙で意思表示をしてみたりと、今までは行動しなかった人たちには、きっと「戦争法」のおそろしさは伝わったでしょう。

私たちがこれからすべきことは、考えを変えなかった人(考えようとしなかった人も含め)に伝わることをしていかなければならないのだと思います。正直、何をどうすれば伝わるのか、そんな答えは出てきません。でも、何もしないのでは、何も変わらないですよね。継続して「戦争法」に反対している私たちの姿を見てもらうこと、地道に呼びかけていくことは絶対的に必要です。

とにかく、再び戦争する国になってはいけない。70年間、戦争をせずにきた歴史を持つ日本に誇りを持ちたい。難しいことはさておき、「戦争イヤだ、平和がいい」、シンプルなこの気持ちを忘れずに、たたかい続けたいと思います。他の団事務所や市民団体など、それぞれのたたかいに元気をもらいながら、時には元気を与えられるような、明るく運動を継続していきたいです。

イラク自衛隊派兵違憲訴訟と現在

2016-10-13

自衛隊派兵は憲法違反
弁護士 上 山  勤
2016年10月

1、 2004年4月30日、大阪地方裁判所に対して、イラクへの自衛隊派兵は憲法に違反する違法な行為だとして、「派兵を止めろ」という請求の訴訟が起こされた。違法な政府の行為で精神的にも苦痛を被ったとして「慰謝料を支払え」という請求も一緒になされている。原告は悲惨な戦争体験から二度と戦争はいやだという人たち19名と、何度もイラクに足を運び、今ある戦争の悲惨を告発し続けている1名の計20名。すでに札幌と名古屋で同種の訴訟が起こされていて全国で三番目の集団提訴であった。弁護団は関西を中心として267名が集まり、皆が手弁当で動いている。私達は社会に広く裁判の存在と意義を訴えたくて提訴当日、記者会見をした。
記者会見をセットするために前もって司法記者クラブに足を運び趣旨を説明しておいた。自衛隊をイラクに派兵するのは憲法に違反するのだと。ところが、同席をしたNHKの記者は言ったのだ、『自衛隊のイラク派兵は社是ですからね』と。
2、そして、提訴。記者会見。多くのマスコミが集まりごった返す中で原告1人1人がどんな思いで裁判を起こしたのかを語り始めた。ある人は、自分が女学生だった頃経験をした大阪空襲の惨状を、ある人は終戦を迎えて瓦解した満州開拓団から日本に向けて歩きつめる苦しく恐ろしい逃避行を語った。ある人は日本に帰れず異国の地で日本人・中国人として暮さざるを得なかったこと、ある人は激戦地沖縄でカタツムリを食べながら銃火と日本軍の両方から逃げまどった様を語った。原爆による被曝のおぞましさも語られた。
話が始まると会場は静まりかえって咳払いもはばかられる状態になった。原告達の訴えの持つ圧倒的な重みがその場を支配していたと思う。かのNHKの若い記者も一言も発するところは無かった。平和を求める原告達の気持ちを揶揄したり、茶化したりできる人はいないであろう。その気持ち、王道なり、である。

(写真は、サマーワでのデモ隊。横断幕には『我々は強く日本軍の即時撤退を要求する。イラクの国土に占領軍の居場所は無い。』と書かれている。)
3、裁判はこれまで3回開かれた。国側は防衛庁の職員も含めて出席しているが原告らの請求は具体的な請求権に基づかないからという理由で、訴えの理由の有無に関わらず不適法だ、として却下を求めている。イラク特別措置法では「非戦闘地域」に限り派遣を認めているが小泉首相はイラクは戦闘地域ではない!という。宿営地に迫撃砲弾が打ち込まれても、オランダ軍がパトロール中に銃撃されても非戦闘地域だと強弁し、理由を追及されると「自衛隊がいるから非戦闘地域なのだ」という始末。(こんな児戯にも似た理屈が国会で堂々とまかり通り、問題にされないのが日本の社会であれば、青年やこども達に倫理や論理を諭す資格はない。)裁判の中で、原告らはイラクは全土が戦闘状態であり、この地域に武装した自衛隊を送り込むことは憲法は勿論のこと、イラク特措法にも違反すると主張している。国側は、イラクがどんな状態なのかについての認識の表明すら拒み、一切の実質的な審理を拒否しようとしている。
4、大阪では、7月26日に400名が第2次提訴、そして、12月7日には再び別の400名が第3次提訴を行った。現在は第4次提訴が準備されつつある。全国的にも山梨・静岡・仙台・栃木と提訴が続き、いまや5000の原告が全国で政府の行為を違法と咎める訴訟に立ち上がっている。戦後憲法違反の訴訟はいろいろあったがこれだけの規模とスケールで争われているのは初めてである。それはいま歴史がそのような場面を迎えていることを象徴している。平和憲法が最大の危機を迎えているといえるし、60年続いた平和の枠組みを21世紀の確かな枠組みとしてさらに強固にする好機ともいえる。
原告・弁護団の思いは同じである。「イラクの無辜の人たち、貧しい人たちを傷つけてはいけない、自衛隊を含む私達はそんな行為に参加したくない。再び人を殴る側に立ちたくは無い。」

(2016年の追記)
⇒ ご承知のとおり、名古屋高等裁判所は、判決の暴論であったが、自衛隊のイラクへの派兵は違憲である、と断じた。続いて、岡山地方裁判所も同旨の判決を出した。しかし、2015年9月、安倍政権は、自国が攻撃されていなくても武力の行使を可能とする集団的自衛権の行使を可能とする、安全保障関連法を強行採決させた。違憲の法律と言わざるを得ない。当時、小泉政権はブッシュ大統領がイラク攻撃を始めた3時間後に、これを支持する声明を発表した。大量破壊兵器の有無もわからないままである。(攻撃の理由として、イラクが大量破壊兵器を保有しているので、と言うのが理由となっていた。)
『米国のイラク攻撃から10年たった3月20日の朝日新聞が、当時の官房長官であった福田康夫元首相に単独インタビューを行ない、その一端をスクープ報道している。彼は言う。米国がイラク攻撃をしないで欲しいという気持ちは、小泉首相も強く持っていたと。ブッシュ大統領が最後通告の演説をしている頃、英国のブレア首相から、ブレア首相も後議会で支持表明のスピーチをしなければならないので、その前に米国と英国の立場を支持するように日本に表明して欲しいと要請して来たと。日本が反対しても米国はイラク攻撃を行なう。そうである以上、反対して日米同盟を崩してはいけないとの信念が小泉首相にはあったと。(イラクに大量破壊兵器があったかどうかについては)判断材料を得ようにも手も足も出なかったと。(日本がブッシュ演説の3時間後に世界に先駆けて支持表明したことで)窮地の米国を救い、日本の米国に対するプレゼンスを高めた。・・・・と言うのです。
日本の政府は、国民や日本国憲法ではなく、アメリカの方を向いて政治をやっている。

憲法があぶない!

2016-05-01

憲法があぶない

弁護士 正木 みどり

安倍(自民・公明)政権は、2013年12月に秘密保護法案の強行採決、2014年7月に「集団的自衛権の行使容認」の閣議決定、2015年(昨年)9月に日本を「戦争できる国」にする安保関連法(戦争法)案の強行採決と、暴挙をかさねてきました。戦争法は平和と国民の命を危険にさらす憲法違反の法律です。戦争法が今年3月に施行されたため、自衛隊が戦後初めて外国人を殺し、戦死者を出すという危険が現実のものとなっています。「憲法9条のもとでは集団的自衛権は行使できない」という60年余にわたる歴代政府の憲法解釈を、安倍政権は180度変更し、立憲主義を破壊したのです。

 

さらに安倍首相は「憲法を改正していく。自民党は憲法改正草案を決めている」と、明文改憲にまで言及し、参議院選挙で、自民・公明や「おおさか維新」など改憲勢力で3分の2以上の議席をめざすと公言しています。「おおさか維新」の松井代表も「わが党は…憲法改正(の発議)に必要な3分の2の勢力に入る」と発言しています。

他方、日本共産党は、昨年9月の戦争法が強行採決された直後、「戦争法(安保法制)廃止の国民連合政府」の提案を行ないました。広範な市民が「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」を結成し、野党共闘を強く求めました。2月には5野党(後に民進党発足により4野党。日本共産党、社会民主党、生活の党)が「安保法制の廃止と集団的自衛権行使容認の閣議決定撤回」を共通の目標とし、全国的規模で選挙協力を行なって国政選挙にのぞむことになりました。「野党と市民の共闘・共同」です。

日本は、今、権力者による憲法破壊、独裁政治と戦争国家への道を許すのか、それとも、憲法をまもり、戦争法を廃止して立憲主義を取り戻し、平和と民主主義を貫くのか、その岐路に立っているのではないでしょうか。

 

では、自民党が目指す改憲とは何でしょうか。自民党の改憲案を見ると、その危険性がよく判ります。自民党改憲案は、日本国憲法を全面的に変える、としています。そのうちのいくつかを見てましょう。

 

自民党改憲案では、「戦力を持たない」「交戦権を認めない」と定めた9条2項を削除し、「国防軍」を創設します。これまでの政府は、9条2項があるため、自衛隊を「自衛のための必要最小限度の実力組織だから、軍隊ではない」「専守防衛だ」とし、武力行使の目的をもって海外派兵することや、集団的自衛権の行使は、憲法上「許されない」としてきたのです。9条2項の削除と「国防軍」創設で、この歯止めをなくして、自衛隊が何の制約もなく海外で武力行使できるようにしようというのです。改憲案は、軍法会議(軍事裁判所)の創設も定めています。

 

自民党改憲案には「緊急事態条項」が盛り込まれています。熊本大地震の直後、菅官房長官は「緊急時に国家、国民がどのような役割を果たすべきか、憲法に位置づけることは大切な課題だ」と発言しました。東日本大震災被災者に冷たい政治をしておきながら、また原発の再稼働を強引に進めておきながら、震災をだしにしての改憲発言は、本当にひどいと思います。そもそも、自然災害に対応できる法律は既にありますし、さらに必要なら法律を改正するなり作ればよい、財政の手当もすればよいことで、憲法を変える必要は全くありません。衆議院が解散しているという極めてまれな瞬間でも、参議院があって対応できる仕組みは憲法上ちゃんとあります。

自民党改憲案の「緊急事態条項」を見れば、本当のねらいが判ります。総理大臣が(今だと安倍首相ですね)、「これは緊急事態だ」と内閣にかけて宣言すれば(閣議決定すら必要ないのです)、内閣は法律と同じ効力のある政令をつくることができる(つまり、内閣だけで国会を無視して、どんどん決めることができる)、財政の支出もできる、地方自治体に指示もできる、国などが出す「指示」に国民は服従義務がある。国が基本的人権の制限もできる。独裁政治を可能にするものです。「緊急事態条項」というよりも、その本質は「憲法停止条項」です。何が緊急事態なのかも、極めてあいまいで、総理大臣の判断次第になるでしょう。

麻生大臣が、以前「ナチスの手口を学ぶ」と発言しました。まさにナチスは、国家緊急権を発動して、政府が立法権を行使できる授権法を成立させ、民主的なワイマール憲法を骨抜きにして、独裁体制を固め、あの戦争へと走ったのです。

 

自民党改憲案の根本的な問題は、「憲法が憲法でなくなってしまう」ことです。憲法は、一人ひとりの個人の幸せを守るために権力者を縛るものです。いくら国会で多数であろうが、憲法に違反する法律をつくったり、憲法に違反する政治をすることは許されません。「立憲主義」です。安倍政権のこの間の暴挙は、この立憲主義に違反しています。

憲法13条は「すべて国民は、個人として尊重される」とし、幸福追求権を定めています。ところが、自民党改憲案は、この「個人」を「人」に置き換え、「個人の尊重」という考え方をなくしました。また、憲法97条は、基本的人権を「侵すことのできない永久の権利」と定めていますが、自民党改憲案は、これを全部削除しています。基本的人権は「公益及び公の秩序」に反しない範囲でしか認めないとしています。しかも、自民党改憲案では、全国民に憲法尊重義務を負わせており、憲法を、国民の権利・幸せを守るために権力者を縛るものではなく、逆に憲法で国民を縛り、さまざまな義務を負わせるものになっています。これは、近代憲法ではありません。

 

このように、自民党改憲案のごく一部を見ただけでも、改憲勢力が衆議院でも参議院でもそれぞれ3分の2の議席を占めた場合、改憲の発議ができることになりますから、その大変な危険性が判ります。最初は憲法9条からではなく、災害対策に必要などと誤魔化して緊急事態条項(実は憲法停止条項という猛毒)とか、あるいはハードルの低そうなものから改憲を言うかも知れません。でも、動き出したら後戻りができなくなります。安倍政権は、たとえば高市総務大臣が、「政治的不公平」と大臣が判断した放送局は電波を停止できると平気で言う、危険な政権です。報道の自由、表現の自由が失われれば、政府にコントロールされた情報しか国民に知らされなくなってしまいます。

今、そのような日本につき進む道なのか、それとも、平和で一人ひとりの個人の幸せを守る日本国憲法の精神を生かす道なのか、とても大事な局面です。この夏の参議院選挙はとても重要です。

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アクセス

地図

大阪市北区西天満4丁目4番13号 三共ビル梅新5階

地下鉄/谷町線・堺筋線 南森町駅
2号出口から 徒歩 約10分

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