「派遣切り」、「請負切り」、あきらめないで。
昨年(2009年)、社会問題となった「派遣切り」「請負切り」。実は、ずっと以前から行われていましたし、
今でも行われています。
「長年、会社のために働いてきたのに、必要がなくなったら使い捨て」「社会保険の加入や有給休暇の
請求、賃金引き上げなどを要求したら雇い止め」などの事例が多発し、とても人間に対する仕打ちとは
思えないような労働者の「モノ」扱いが行われています。
ただ、このような「モノ」扱いは、職業安定法・労働者派遣法や労働基準法などに違反していることが多
く、その場合、派遣元や派遣先の企業に対し法律違反を追及することが可能です。
とりわけ、一定の業務を除いては、派遣先で就労していた業務について、前任者の業務期間も含めて、
原則1年、例外的事情がある場合でも3年を超えて派遣労働者(請負契約と偽装されていても実質的
には派遣労働と同じ関係で働く者も含みます)を継続して受け入れた場合は、労働者派遣法違反とな
り、派遣元・派遣先は、その派遣労働者の雇用の安定を図りつつ(つまり雇用を失わせることなく)、違
法状態を解消する責務を負うことになります。そして、この場合、違法状態の申告を受けた労働局は、
派遣先企業にその労働者を直接雇うように推奨するとされていますから、労働局への申告や、労働組
合に加入して派遣先企業へ団体交渉を申し入れるなどすることになり、派遣先に対して、雇用責任を
追及することが可能です。
その他、責任追及の手がかりになる法違反が横行しているのが、現在の派遣就労の実態ですから、
雇い止めや契約解除がなされた場合には、やむを得ないものとあきらめるのではなく、まずは弁護士
や労働組合に相談されることをおすすめします。
なお、今度の通常国会では、労働者の保護を図るため、労働者派遣法の改正案が提出される予定で
す。この改正を本当に労働者のためになるような抜本的な改正にし、また、その改正を早期に実施す
るために、声をあげていきましょう。
弁護士河村 学

2010年1月