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すべての肝炎患者救済にむけて~B型肝炎訴訟

2009-01-01

すべての肝炎患者救済にむけて~B型肝炎訴訟

弁護士 杉島幸生

 

 みなさんはB型肝炎という病気をご存じでしょうか。何かのきっかけで肝臓に住み着いたB型肝炎ウイルスが肝臓に悪さをすることにより発症する病気です。B型肝炎ウイルスに感染しても多くの場合は発症・悪化することなく治癒しますが、なかには肝炎から肝硬変・肝ガンと悪化する人もおり、そうなると命の危険にさらされることになります。不幸にしてこの病気になってしまった人は、いつ症状が悪化するかもしれないという不安や、治療のための経済的負担、薬による副作用、伝染力のある病気であることからくる社会的な差別に苦しんでいます(全国に約140万人の感染者がいるともいわれています)。

予防接種がB型肝炎感染源だった

 これまでB型肝炎のおもな原因は母子感染(出産時の母親からの感染)だと言われてきました。しかし、研究が進む中で母親がウイルス保持者ではないB型肝炎患者が多くいることがわかってきました。そうなると母子感染以外に原因があることとなります。そこで北海道にすむ5人のB型肝炎患者が国が実施した集団予防接種が原因であるとして国に賠償を求める裁判を起こし、2006年6月、国の責任を認める最高裁判決が確定しました。

 B型ウイルスは血液を通じて感染しますが、6歳ころまでの感染でないと継続感染することは少ないと言われています。とすると母親が感染者でなく幼少期に輸血の経験もない患者の体内に感染者の血液が入る機会は、集団予防接種以外に考えられません。戦前から80年代後半まで各地の集団予防接種では、注射器の使い回しが普通でした。その中に一人でもウイルスの感染者がいると注射器を通じて体内にウイルスが侵入してきます。国はそうした危険があることを充分に認識しながら注射器の使い回しを放置し、B型肝炎ウイルス感染者を万延させたのです。

抜本的対策を求めて集団提訴

 先の5人の原告は、最高裁判決が確定した以上、国が全ての肝炎患者の救済に向けた抜本対策をとるものと信じていました。注射器の使い回しは全国各地で行われていたのですから、予防接種によってB型肝炎ウイルスに感染したのが5人だけということはありえないからです。ところが厚労省は、その5人はたまたま予防接種で感染しただけとして抜本的対策(治療費の政府負担、被害に対する補償・生活援助、肝炎患者に対する障害者手帳の交付など)をいまだにさぼり続けています。

 厚労省がこうした態度をとる以上、新しい裁判を起こして全国に同じような患者がいることをはっきりさせる必要があります。そこで現在、約180名のB型肝炎ウイルス感染者が八つの地方裁判所に国に賠償を求める裁判を一斉に起こし、大阪でも9名の患者が原告となっています(2008年10月時点)。私もその弁護団の一人としてお手伝いをしています。ところが国はいまだに責任逃れの主張を繰り返しています。国に抜本的対策をとらせるためには、さらに原告を増やし世論で厚労省を包囲していなかくてはなりません。2009年2月13日には大阪地方裁判所で大法廷(202号)で第2回目の弁論が行われます。ぜひご支援ください。また条件のある方は原告にもなってくださいますようお願いします(提訴条件は以下のようになっています。①B型肝炎ウイルス持続感染者、②慢性B型肝炎発症から20年を経過していない、③1948年7月1日以降に集団予防接種を受けている、④1941年7月1日から1988年までの出生、⑤出生時に母親が持続感染していない、⑥7歳になるまで輸血していない-これは概要です。詳細はお問い合わせ下さい)。

 

カテゴリー: くらし, 行政 

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