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介護労働者の労働条件の保障

2013-06-26

介護の専門性を維持するためには介護労働者の労働条件の保障が必要
弁護士 河村学

1.平成21年度厚労省全国調査によると介護施設に入所できない待機者が42.1万人も存在しているのに対し厚労省は、「直ちに特養ホームに入所する必要のある人は4万人である」とし、現状に目をつむり、数字を操作して問題をなかったことにする手法が多く行われていると、河村弁護士は厚労省の姿勢を批判しました。東京の各地で待機児童問題に関して次々と異議申し立てが上がっていることを例にあげ、「これは市町村に保育実施責任があるからこそできる行動であり、介護施設ではどこにも何も言えない状況である。国・自治体の実施責任がないと最終的には利用者や介護労働者がしわ寄せの犠牲となる

2.家族の介護のために、2010年10月からの5年間では56万8千人(2007年・就業構造基本調査)が離職していると報道されている。在宅介護を強いられた結果、命にかかわる事件まで発生しているのに、“消費税に見合った範囲での社会保障改革”、“市町村が主体となる地域包括ケア計画で在宅介護の限界を高め、ボランティアなどの活用を推進”、“現世代の負担増・給付抑制、利用者本人負担の引き上げ”などだけが検討され、介護の質や、介護現場で起こっている問題に関してほとんど何も対策を考えていない

3.圧倒的に非正規労働者で、8~9割が女性であり、女性の低処遇は密接にかかわっている。離職率も高く、1年で30%採用され、21%が退職し、3年以内の離職率も高い。介護の仕事にやりがいを感じ、人の役に立ちたいと思っていても、非正規労働者の93.9%が時給で生活を維持するのが困難なために離職を選択せざるを得ない状況が多く生まれている」と実態を紹介しました。介護労働者の今後の運動として、労働組合でやるべき対応や労働契約締結での注意点などの具体例にも触れ、「介護労働者の労働条件を向上させるためには介護保険制度の運用改善とリンクさせ、労働組合と介護制度の改善をめざす諸団体と連携して運動することが重要となってくる。介護の専門性を維持するためには介護労働者の労働条件を保障することが必要であるという位置づけを行うことが大切である

自治労連介護関係労働者全国交流集会 講演

カテゴリー: くらし, 労働 

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