労働問題・債務整理・家庭問題・その他、大阪の法律相談なら関西合同法律事務所へお任せください。

遺産分割協議「相続開始から10年以内」に注意(弁護士正木みどり)

2023-07-03

遺産分割協議
特別な言い分のある場合、「相続開始から10年以内」(2023年4月1日より前の相続開始の場合は、それよりも短い)にご注意ください    

   弁護士正木みどり

2018年(平成30年)及び2021年(令和3年)に、相続手続や相続不動産等に関連して、いろいろな法律が変わったり、新しい法律ができています。
今回は、2023年(令和5年)4月1日に施行された、令和3年改正民法の「相続開始の時から10年以内」という内容について、ご説明します。

相続が始まって、相続人の間で遺産の具体的な分け方を話し合う「遺産分割協議」は、いつまでにしなければいけないという規定はありません。このこと自体は、改正民法でも同じです(10か月以内の相続税の申告・納付期限は、別の問題です)。

民法では、だれとだれが相続人なのかによって、それぞれの「法定相続分」が規定されています。たとえば、配偶者と子ども3人であれば、配偶者が2分の1、子ども3人は各自、2分の1を3等分で6分の1ずつです(子どもがいなくて配偶者と父母が相続人の場合は配偶者は3分の2、配偶者と兄弟姉妹ないし甥姪が相続人の場合は配偶者は4分の3です)。もちろん、相続人全員で合意ができれば、どのような分け方でもかまいません。全員での合意ができない場合は、原則として法定相続分が基準となるわけです。

ただ、それでは不公平な場合があります。そこで、公平を期すために、以下の「特別受益者」と「寄与分」という二つの制度が民法で認められています。
① 被相続人(亡くなった人)から多額の贈与等を受けていた相続人(特別受益者)がいる場合は、その金額を計算上、遺産に持ち戻すことによって、その特別受益者の具体的な取得分を減らす。
② 被相続人の生前に、療養看護などによって被相続人の財産の維持・増加に、通常期待されるような程度を超える貢献をしたという事情がある場合、寄与分として、他の相続人よりも多くの遺産を相続させる。
この二つの制度の主張は、相続人間で争いになると、証明するのが難しかったり、評価が難しかったりすることもあるのですが、今回の改正民法施行までは、いつでも主張することができました。

しかし、2023年(令和5年)4月1日以降は、相続開始(被相続人が亡くなった日)から10年を過ぎてしまった後では、原則として、特別受益や寄与分の主張をすることができなくなってしまい、法定相続分が基準になります(もちろん、相続人全員が合意した場合は、法定相続分と異なる遺産分割ができることは、変わりません)。

ただし、期限内に協議が終わらない場合、例外的に相続開始から10年を経過しても、次のケースでは主張が可能です。
① 相続開始の時から10年経過前に、相続人が家庭裁判所に遺産分割請求をした場合
② 相続開始の時から10年が経過する6か月以内の間に、相続人に遺産分割請求をすることができないやむを得ない事由が生じた場合において、当該事由が消滅したときから6か月経過前に、家庭裁判所に当該相続人が遺産分割請求した場合

では、2023年(令和5年)4月1日の施行までに、すでに被相続人が亡くなっていた場合は、どうなるでしょうか。
やはりこの改正民法が適用されますが、経過措置があり、この施行日から少なくとも5年間の猶予期間があります(「施行日から5年間」よりも「相続開始から10年間」の方が長い場合は、そちらが猶予期間になります。具体的には弁護士にご相談ください)。

上記のような例外的な事情がない限りは、10年経過により特別受益や寄与分を主張することができなくなってしまいますので、早めに遺産分割の手続を進めることが大切と思います。

カテゴリー: 家事 

アクセス

地図

大阪市北区西天満4丁目4番13号 三共ビル梅新5階

地下鉄/谷町線・堺筋線 南森町駅
2号出口から 徒歩 約10分

icon詳しくはこちら

弁護士紹介