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降格処分の無効を争う裁判で和解解決をしました

2014-11-07

「降格処分の無効を争う裁判で和解解決をしました」

弁護士 喜 田  崇 之

【はじめに】

バスの運転手だったXさん(当時51歳)が、降格処分を受けて賃金が減額されるとともにバスの運転業務から外された事件で、訴訟提起の結果、バスの運転業務に戻る内容の和解を勝ち取りました。

【事案の概要】

原告Xさんは、2011年11月、会社内の呼気アルコール検査に反応し(前日夜のお酒が残っていたと思われる。)ために運転業務ができないことがあり、過去にも同じことが2回あったため、解雇処分を受けました。

Xさんは、解雇処分の無効をめぐってバス会社であるY会社と最高裁まで争いになり、最終的に、処分が不相当に重すぎるという理由で解雇が無効であることが確定しました。

しかし、Y社は、全く同じ事情を理由として、バスの運転業務から外す降格処分を下し、賃金も減額しました。裁判所の判断は、呼気アルコール検査に反応したことが3回目であることは懲戒事由に該当するが、解雇処分は重すぎるので無効であると判断していることから、Y社としては、解雇処分より軽い降格処分であれば有効であると判断したものでした。

しかし、Xさんは、バスの運転業務に付けなくなることに疑問を感じ、弁護士喜田がご相談にあずかり、降格処分の無効を求めて裁判所に提訴しました。

【裁判の進行】

我々は、Xさんがバスの運転手として優秀な実績を残してきたこと、過去のY社内の処分事例と比較してXさんへの処分が重いこと(重大な交通事故を起こした従業員ですら1~2年後にはバスの運転手として復職しているケースがほとんどであった。)、アルコール検査の反応が極めて軽微であること、賃金減額幅等が極めて大きいこと等から、降格処分は相当性を欠き、無効である旨を主張・立証しました。

XさんとY社の対立は激しいものでしたが、いよいよ証人尋問に入る直前に、裁判所が和解を勧告しました。

【裁判所の和解案】

和解交渉は難航を極めましたが、裁判所の尽力もあり、最終的には、Xさんが過去のアルコール検知の失敗を真摯に反省し、今後同様の事案を二度と起こさないことを誓約することを条件として、バス運転手として復職する内容の和解を勝ち取ることができました。

XさんがY社で勤務しながら裁判を続けられたのは、Xさんがバスの運転手に必ず復帰するという強い意志をもっていたことももちろんですが、労働組合の仲間がサポートしてくれたことも大きな支えになりました。

Xさんは、和解後、バスの運転手に戻りました。

【最後に】

裁判所が和解に尽力してくれたのも、また最終的にY社が和解を受け入れたのも、こちら側の主張・立証により、降格処分に問題があると判断させることに成功したからに他なりません。

私は、数多くの労働事件を扱ってきましたが、最初の解雇処分から何年にもわたって会社と裁判を続け、最終的に元の仕事に復職できた事例は数が少なく、本件は極めて画期的なケースであると思います。

労働事件を闘うには、やはり専門的な知識とノウハウが必要です。お困りの方は、ぜひ、ご相談下さい。

カテゴリー: 労働 

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