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戦争のリアルと平和憲法を生きていく事(弁護士上山勤)

2023-10-31

戦争のリアルと平和憲法を生きていく事

                              弁護士 上山勤

1、私の考えた平和

平和が大切!と本当に感じる為に、『戦争』の本当の姿を知る必要がある。
戦争になると、命が喪われる。職業軍人だけでなく普通の市民の命が喪われる。あたりまえの生活が壊される。戦争のリアルがそれを教えてくれる。今ウクライナでは戦争が起きている。そこには、現代の戦争のリアルがある。

2、 ウクライナは、国土面積は日本の1.6倍。人口は4159万人。2022年2月、突然のロシア侵攻。ゼレンスキー大統領は、ロシア侵攻の翌日、18歳~60歳の男性の出国を禁止する大統領令を発布。しかし50万円以上の賄賂を積めば、徴兵逃れが可能という。大統領は2023年8月半ば、国内各地の徴兵担当者を全員解任した。収賄や脅迫が横行しているというのが、その理由だった。徴兵担当者は、制服の色から「オリーブ」と呼ばれている。2023年10月からは、医師・薬剤師などについては女性も徴兵の対象となった。

3、戦争のリアル・・・以下は22/3と23/8の国連のreportによる。
1) 人が殺されるということ
イ) 戦場におけるウクライナ・ロシア両国の兵士の死亡は、2023年8月の時点でおよそ50万人に近づいていると推測されている(ロシア軍が30万人、ウクライナ12万人の犠牲)。
ロ) 民間人の被害 2023年8月11日に発表された国連人権高等弁務官事務所の報告は、民間人の死者は8490人、受傷者は1万4244人。
ハ) Buchaでの殺戮・・・民間人も殺される。具体例。
①IrynaとOleh・・・自宅に手榴弾が投げ込まれ、家の中は火の海に。外に逃げる。銃を構えていたロシア兵がOlehのシャツを脱がせてひざまづかせる。駆け寄って踏みつける。銃撃。Iryanaは彼が耳から血を流しているのを見る。Iryanaは叫ぶ。「shoot me! Com on!」兵士は三度にわたって、彼女に銃を向けたが「自分は女は撃たない」と言って撃たなかった。・・Iryana Abramovaの話
②Buchaはキーフ近郊の街。3000~4000名はすでに避難していた。ロシア兵はこの町で、約400名の市民を殺戮。ロシア兵撤退後、何ヶ月かして四肢をバラバラに切断された死体なども発見された。
③ウクライナ政府は、10名のロシア兵の名前と写真を発表。戦争犯罪、と。

2) 戦争のリアル  突然、家や職場に爆弾やミサイルが飛んでくる。
⇒ そこでは民間人も殺される。受傷する。避難所が必要、地下鉄の駅など。
避難所は男女の別とか、家族の仕切りなどは保証されていない。トイレの問題と食事の問題。
性暴力被害の発生が報告されている。
⇒ 学校がなくなる。授業・教育は校舎の物理的破壊。避難所での授業。ウェブを利用した授業。
仮に破壊されていなくても、サイレンのつど、地下施設への避難行動。機材・教科書の喪失。
子どもたちの学びは中断せざるを得ない。                           ⇒ 職場はなくなる。多くの男性が兵役にとられる中で、社会の役割が変わる。
肉体労働・地下での労働・深夜労働などを女性が担う。性暴力被害の発生。
⇒ 電気・ガス・水道が止まる。アクセスの問題。水はどうする→ 飲料、シャワー、洗濯、トイレ・・・インフラとしての水道管は破壊と修復を何度も繰り返している実情。電気なども同様。修復が間に合わない地域も多く、そこでは、飲料水については給水活動が行われている。東部や南部では、給水活動も間に合わなくて、川まで危険を冒して水汲みに行く。女性が多い。シャワーなどはもう何週間もできていない人が多数。

『ロシア兵が、バフムトにやってきた時、Valentyna’s(73歳)の家のガスは最初にカットされた。次に大砲の砲弾が電気送電設備を破壊した。8月までの間Valentynaと娘のNatalia(52歳)は水を手にすることができなかった。戦闘が激しくなり、約一年間にわたる苛烈な戦闘の結果、ガスと電気はそれぞれ木と石炭に置き換わった。井戸に近づくことすら危険となった時、彼らは大変な危険を冒してバフムト川を越えて隣の街に向け脱出した。』。彼らは、8000名のバフムト市民の一人である。バフムトは、10月には完全に水の供給ができなくなった。元々、7万人の人口。開戦まではなんとか井戸水から続く運河をキープして水を確保していたが砲弾が運河を破壊した。行政担当者はポンプやタンクの修復を試みたが多量の砲弾がそれを阻止した。飲み水は、もうボランティアの活動に頼るしかない、とバフムトの軍事委員会の長はいう。 Svitlana(38歳)はいう。『私の希望は、シャワーを浴びられること、そして手を洗いたいし、定期的にトイレやバスを使えること』を何ヶ月も待ち続けてきたとも。ボランティアは現地のビルの床下に井戸を掘る努力を続けている。また、建物を改築してシャワーが浴びられるようにしたり、洗濯機を使えるように努力している。二ヶ月以上洗濯ができていない人たちがいる。
電気・ガスは使えない→そんな場所では多くの市民は庭で焚き火をして炊飯・焼き物をして食事を取る。薪が貴重な資源。
⇨ 多くの避難民は、現金の持ち合わせがなく、ATMは使えない。公的な補償しか入手できない。しかし、市民の証明ができない人は補償を受けらずボランティアの給付に頼っている。

3) 戦争のリアル・・違う形の生活破壊
①民間施設であるダムの破壊(ジュネーブ条約 議定書 違反)
2023年6月6日、中央ウクライナのカフホカダムが決壊。周辺の広大な地域に水が流出。多くの住宅地と農地が水につかった。ヨーロッパ最大規模の貯水池は干上がりつつある。4つの運河が貯水池から切り離されている。この地域の運河からの水がウクライナ南部の広大な地域にとって飲料水の水源であった。70万人が断水。科学的な証拠は、ダムが内部からの爆発で破壊されたことを示しており、その大部分をロシア軍が支配していたことから彼らが破壊の原因を作ったと考えられる。今後、広大な経済の破壊と環境の破壊 が予想される。
②原発施設への攻撃の危険
クレムリンが原発施設に敷設した爆薬の引き金を引けば、進行していっていない部隊の人間も破滅的な影響を受けるであろう。ウクライナには15個の原子力発電施設があり、国の約50%のエネルギーを生んでいる。エネルギー施設への攻撃は現代の紛争では通常の攻撃目標であり相手国の戦争継続のエネルギーをそぐ。しかし、原子力施設の場合は施設はものすごい量の放射性物質を持っており、それらが外部へ流出する可能性がある。例えば、空からの爆撃や大砲の砲弾が反応炉を包む建物を破壊したり核原料を安定的に保管するための冷却装置を破壊する可能性がある。

4) 戦争のリアル 避難・家族はバラバラになる   そ の 実 態
①  国内避難
イ)  2022年の侵攻前、ウクライナにはすでに290万人の人道支援を必要とする人たちがいた。東部の紛争が理由。侵攻後  激しい爆撃により、人道支援の回廊は限定され、食糧や水・医薬品などの基礎的な物へのアクセスも絶望的になった。国内避難民の数は侵攻から一ヶ月で650万人となった。男性は移動ができなかったので避難民の90%は女性と子どもである。急拵えで作られた避難所は混み合っており、ベッドとかマットレス・毛布といった基本的な装備が欠けていた。性別による空間の区分とか家族を単位として区分をするにはスペースが不足していたので、リスクを避けるための防備ができておらず性暴力の危険は増加した。
ロ)   危機の当初、ウクライナには3ヶ月以内に出産をするであろう妊婦が8万人いた。避難所(ショルター)へのアクセスに困難が伴うことと、避難所での安全も不十分なものがある。プライベートの仕切りもなく、多くの市民が雑魚寝の状態である。                        ② 国外避難 避難民の受け入れ国の実情 大きな経済負担など

英国の補償・・350£/月=64400円/月を半年間保障(ウクライナ人のための家賃) 2022年に1335家族がホームレスとして登録されている。2023年には1500~2000家族になり、2023年9月頃には5万所帯を超えるとされている。2023年からは700£/月を一年間と改定。

日本の補償・・出入国在留管理庁が「ウクライナから日本への避難民に対して支援の提供を検討されている地方公共団体及び企業・団体の皆さんへ」というペーパーを発出したのみ。

ポーランドの補償 ・・36000円/月の支援を政府がhostとして補償している。社会保障は8ヶ月。157万人が滞留しており、今ポーランドは息切れ状態。政府によるウクライナ難民支援金はOECD38カ国の中で最大(約1兆2000億円)。

カテゴリー: お知らせ, 平和 

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