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下級審裁判例:親による要望と教員への不法行為

2019-08-11

親による要望と教員への不法行為について、下級審の裁判例を紹介します。

東京地裁平成29年6月26日判決(判例タイムズ1461号243頁)です

事例は、特別支援学校高等部の教員であった原告が、生徒の母親である被告が頻繁に行った学校管理職への要望により、精神的に追い詰められ心身に不調をきたし、休職を経て退職を余儀なくされたと主張して、不法行為に基づく慰謝料の支払いを求めた事件です。

認定事実から見ると、母親は、生徒へ一人通学の指導を実施すること、原告を生徒の指導から外すこと、生徒の通知表から原告の名前を削除することを要望したり、予告なく原告の授業を見学したりを繰り返した。

結論として、東京地裁は、原告の請求を棄却した。

その理由は、原則論として、「学校教育においては、学校、教員及び父母のそれぞれが、子どもの教育の結果はもとより、教員の指導方法を含めた教育の内容及び方法等につき関心を抱くのであって、それぞれの立場から教育の内容及び方法等の決定、実施に対し意見を述べ合いながら協力していくことが必要なものであるから、父母らが学級担任の自己の子どもに対する指導方法について要望を出し、あるいは批判することは許されることであって、その内容が教員としての能力や指導方法に関する批判に及ぶことがあったとしても、直ちに当該教員に対する不法行為を構成するような違法性があるということはできない。」

本件では、「全証拠をみても、被告が原告に対して生徒の指導方法について要望を出した際に原告に対する人格攻撃等があったとか、原告の授業等を見学した際に授業の妨害をおこなった等の事実を認めるべき証拠はない。被告が校長らに対し生徒の指導から原告を外すこと、生徒の通知表から原告の名前を削除すること及びクラスの担任から原告を外すことなどを要望したことについても、被告は直接原告を糾弾等したわけではなく、事柄についての判断は学校長ら管理職に委ねられており、原告を学校から排除することを違法に要望したものと評価することはできない。」と判断した。

ここから、推論すると、要望であっても教員に対する人格攻撃を含むとか、授業の見学であっても授業妨害に及ぶような場合には、親の教員への不法行為になるといえるでしょう。

 

 

カテゴリー: 民事 

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