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「転居命令」違反を理由とする解雇(下級裁判例)

2020-02-03

「転居命令」違反を理由とする解雇について、下級審の裁判例を紹介します。

東京地裁平成30年6月8日判決(判例タイムズ1467号185頁)です。

事例は、被告会社が、原告を東京本社から茨城工場へ配置転換してから1年後に、通勤時間が片道3時間となるということで、茨城工場近くに転居するよう「転居命令」を発したが、原告が従わなかったことから、解雇したという事案です。

東京地裁判決は、「転居命令」についても、転居を伴う転勤命令と同様の判断基準を示し、本件転居命令は業務の必要性を欠き権利濫用であって無効と判断しました。

「被告会社は、原告との個別の合意なくして原告の勤務場所を決定し、勤務先の変更に伴って居住地の変更を命じて労務の提供を求める権限を有する。さらにその権限に基づき、使用者は、配置転換等の業務上の必要に応じ、その裁量により労働者の勤務場所や居住地を決定することができる。しかしながら、転居は、一般に労働者の生活環境に少なからず影響を与えずにはおかないから、使用者の転勤命令権(転居命令権)は無制約に行使することができるものではなく、これを濫用することは許されない。」とし

①業務上の必要性が存在しない場合、②他の不当な動機、目的をもってなされた場合、③労働者に対して通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせる場合の基準を示しました。

本件転居命令について、①原告は片道3時間であるが、配転後1年間、無遅刻無欠勤で通勤している、②原告が長時間通勤や身体的疲労を理由に仕事の軽減や業務の交替を申し出たことがない、③原告の業務は、早朝夜間の勤務の必要なく、緊急時に対応するという必要も考え難い業務である、として、原告が工場の近くに転居しなければ労働契約上の労務の提供ができないとはいえず、業務の必要性がないと判断しました。

「転居命令」が独立で発せられ、争われた事例は見当たらないそうで、裁判所が、転居を伴う転勤命令と同様の判断基準を示したこと、実際の事例に当てはめて判決したことが参考になります。

カテゴリー: 労働 

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